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ファンティック・キャバレロ フラットトラック250試乗記 高速道路走行インプレもあるよ

2020/08/10 バイク・ファンティック

パッと見た時に「かっこいいなあ」と思ったバイク
マットブラックのタンクにレーシーなサイドのゼッケンプレート

それがイタリアブランドの”ファンティック・キャバレロ フラットトラック”

以前から乗ってみたかったこのバイクに念願かなって試乗することができました

兄弟車のスクランブラーがオフロードよりな味付けなのに対して、こちらは前後19インチのタイヤを履くちょっと特殊なスタイル
その名の通り”フラットトラック”(日本だとダートトラックの呼び方がメジャーかも)というモータースポーツをモチーフにしています

フラットトラック競技とは?

知ってるよ♪って人もいるかもしれませんが・・

運動場のような楕円状のコース(オーバルコースって呼びます)を左回りにぐるぐる回って勝負を競うアメリカ発祥のレースです
バイクなのにフルバンク状態でドリフトしながらコーナーを駆け抜けるその様子に目が釘付けになりますが、パフォーマンスではなく真剣なスプリント競技

そんな硬派なマシンが今回紹介するキャバレロ フラットトラックです

とは言ってもこのバイクで実際にレース参戦する人は日本に何人いることか・・・
やはりここは街乗りでのインプレをメインに進めましょう

ライバルとの比較

さ、まずは準備運動という感じで
あからさまなスペック比較をしてみようか!

ホンダCBR250R
馬力27ps/9000 トルク2.3kgf・m/7500 装備重量164kg

ヤマハMT25
馬力35ps/12000 トルク2.3kgf・m/10000 装備重量169kg

キャバレロ250
馬力25ps/8500 トルク2.2kgf・m/6500 車両重量140kg

車両重量ってのはガソリンを除いた重量のことだからガソリンの重さをプラスすると
ガソリン1ℓ=約750g × 12ℓタンク = 9000g(9kg)
ということはキャバレロの装備重量は149kgということになる

馬力だけみると、一世代前の単気筒CBR250Rより低いし、二気筒のヤマハMT25とはお馬さん10頭分も差がついている

数字だけがモノを言うわけではないが、「パワー不足じゃないの?」と思ってしまうのは致し方ない
しかしカタログスペックだけでは判断できないのがモーターサイクルの面白いところだ
それに車両重量はキャバレロがダントツで軽い!


果たして、イタリアの本気、ファンティック キャバレロ250の実力は?

ファーストインプレッション

今回の車両はローダウンサスペンションが組み込まれていたので、短足のワタシ(169cm)でも十分に足がつきました

先にも書きましたが、跨って感じるのはその軽さ
ABSや触媒やら色々制約がある現代のバイクにしては軽い、本当に軽い、軽いは正義!

ポジションはクセがなく足の窮屈さも感じないし、シートも自由度が高いので好きな位置に座ることができます

エンジンに火を入れるとパルス感のある小気味良いサウンドが!
単気筒のクセにARROWのツインサイレンサーなんて付いているから思いのほかマフラーサウンドが良い

本当に国産車と同じ騒音基準なのかな?と疑いたくなるくらいイイ感じの音だと言っておく

そういえば気になる点が

フラットトラックの特徴でもあるタイヤサイズは

フロント130/80-19
リア130/80-19

と前後が全く同じサイズ!
バイクで前後同サイズなんてスクーターくらいしか思い浮かばないです

しかもよく考えたらフロント130サイズって・・・CBR250R(MC17)いわゆるハリケーンのリアタイヤサイズじゃないか!(インチや扁平率は違う)

これは一体どんな乗り味なんだろうか??

そして乗ってみると

「あれ?思ったより曲がらない(汗)」
今時のバイクってどんな車種でもクイクイ曲がって軽快に走るイメージだったけど、このフラットトラックはそんなイメージとはちょっと違いました

噂には聞いていたけど、ちょっとモッタリしてる感じかな
これは気をつけて走らないとコーナーで曲がりきれなくて突っ込む?と少し焦りがありました



少し走ると・・・

「慣れた」

慣れるというか馴染むというか、途中からなんの違和感も無くなりました(笑)
むしろ心地よいコーナーリング感を味わえる様になってきて

「むう、これは良いかも」
という見事な手のひら返し!

何ていうか、ちょっとクラシカルなバイクを扱っている様な乗り味というのかな
コーナーリングのどっしり感みたいなのがあってそ独特な感覚に毒されていく自分がいるんですよねー



前後19インチ、なかなか良いかも

さてエンジンはどんな感じかね?

ワタシが250cc単気筒に抱いているイメージは「トトトトッ」と、決して速くはないけど小気味よく軽やかに駆けていくというもの

対してこのキャバレロの250ccエンジンは「ヴイィィィィィーーーー」とレーシングエンジンのように回る!
例えるならツインエンジンのような軽やかさと単気筒のトルク感が融合したような魅力的なパワーユニットなんですよ

この完全新設計のオリジナルエンジンの味付けがとにかく元気
軽い車重も手伝って"ライトウェイトシングルスポーツ"というイメージがぴったり
いや、レーシーと言った方がしっくり来るかも

なんでこんなにレーシーな雰囲気なんだろう?と思ってちょっと調べてみると
このエンジン、超ショートストロークなんですよ

ちなみにスズキさんのスーパースポーツGSX-R1000Rのボア×ストロークは
76.0mm×55.1mm
対して、フラットトラック250のボア×ストロークは
77.0mm×53.6mm
なんと!GSX-Rよりもショートストロークなんですよ、コレ!

ということは高回転型でパワー重視のエンジン特性、ということですよね

そして、エンジンにムチを入れるため高速へ

エンジン特性を知れば高回転までブン回したくなるのが漢(ライダー)ってもんですよ

そんなわけで早速東名高速道路をブッパしに行きます
軽二輪なんて80km/h巡航しかできないだろうなあと思って加速すると

オヤオヤ?

80km/hを超えて100km/hまですんなり出ちゃう

「250ccで100km/hなんて余裕っしょ」って思います?

確かに最近の250ccは120km/hくらいは出せる
出せるけど安心・安定して走れるかと言われたら"No"のバイクもあるのだ

ワタシが以前に国産250cc単気筒で静岡までツーリング行った時は100km/h巡航が苦痛で・・・
ハンドルからのビビリで手は痺れるし、追い越しはギアを1〜2速落としてやっと加速する感じ
道路の継ぎ目で跳ねるし仲間のバイクに「先言ってていいよ」の合図を出して80km/hでノンビリ走ったのを思い出します

だがしかし!

キャバレロは次元が違う・・・

80km/hを6速ギアで巡航中にそのままアクセルをぐいっと空ければ数秒で100km/hに達する
ギアを5速に落とさなくても十分に加速してくれるのは驚いた

そして100km/hでの巡航に不安がないのがすごい

フレームや足回りが500ccと共通であるため、車体がしっかりと路面の凹凸を受け止め、非常に安定して走ることができる
400ccクラスのバイクに乗っている様な安定感、そして高回転時のエンジンの力強さ

キャバレロの高速走行性能は相当高いんじゃないかな

結論 アリよりのアリ

いやー、楽しかったです

まさか250ccで、しかも単気筒丸目ライトのバイクでこんなに気分が高揚するとは思ってもいませんでした
アクセル開け始めにエンスト何回かしましたが、それは高回転型エンジンだからこそ
エンジン特性を理解して走れば、中〜高回転を多用して街中はブイブイ言わせることができます
高速走行時は本領発揮!

7000〜8000回転あたりの爽快感は是非体験して欲しい

そして前後130/80-19のタイヤサイズ・・・
ちょっとクセはあるものの、コーナリング中のどっしり感や高速道路でのレーンチェンジの安定感など、高剛性な車体がタイヤのグリップ力をしっかり受け止めてる感じがすごいです

キャバレロの250ccは街乗り最強バイクなのかも知れませんよー

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